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2024年08月28日

【開催報告】日韓FD比較シンポジウム

東京大学 大学総合教育研究センターでは、2024年7月25(木)に「FD比較シンポジウム」を開催いたしました。

 

  • ■登録者・参加者数とその内訳
登録者数:175名(うち、韓国から62名)
実参加者:オンライン 133名 対面 42名(うち、登壇者8名)

  • ■当日の内容

はじめに、森山工・東京大学副学長と、浅見泰司・同大学総合教育センター長に挨拶を頂きました。また、開催趣旨について朴源花・同大学総合教育センター助教が説明を行いました。

登壇者の発表では、南敏祐・大田大学大学革新事業団副団長が「韓国大学CTLの適応型教授支援体制と成果管理」、佐藤浩章・大阪大学学際大学院機構教授が「日本のFDの歴史と現状」と題し発表を行いました。日韓の大学における教員研修制度の沿革や展望についてお話いただきました。
続いて、李恩和・新羅大学教育大学院長が「韓国大学教育開発センター協議会の成長と学会誌『大学教授学習研究』の課題」、栗田佳代子・東京大学大学総合教育センター副センター長が「東京大学におけるFD/プレFDの取り組みの現状と今後の方向性」と題し発表を行いました。CTLやFDを実施・運営するための組織の役割や機能について、日韓の状況をそれぞれ語っていただきました。
休憩をはさみ、尹喜貞・淑明女子大学教授学習センター長が「韓国大学の学習支援プログラムの現況と事例」、榊原暢久・芝浦工業大学教育イノベーション推進センター教授が「芝浦工業大学におけるFDの取組~教職員個々の能力開発からカリキュラムの整合性整備へ」と題し発表を行いました。韓国のさまざまな大学での実践例と、日本の大学における具体的な状況についてご発表いただきました。

ディスカッションでは、朴助教がモデレーターを務め、日本と韓国のFDの取り組みについて比較し活発に意見交換がなされました。

 

  • ■参加者の反応
  • 本シンポジウム終了後にアンケートを配布し、計37名の方々にご回答いただきました。イベント全体に関する満足度(5=大変満足、1=大変不満とした5段階評価)について、最多の17名(45.9%)の方が最高評価の5、16名(43.2%)の方が次点の4と回答されました。

 

また、自由記述欄では以下のようなコメントを頂きました。(個人が特定されないよう、一部抜粋しています。)

このシンポジウムにおける良かった点、感想、など

「韓国と日本のトップFDの現状と比較を知ることができました。どの講演も興味深く参考になりました。」

「FDが形骸化しないようなシステムの構築と成果について非常に興味深く聴講させていただきました」

「印象深かった講演の質問に記載した点と、韓国はイノベーション指向だと知ることが出来ました。何となく、学術レベルの技術が素早く産業に応用されるのは、高等教育からして違っていると感じました。」

「英語で統一させるより、通訳者を用意してくださって、聞きたい言語で聞くことができてよかったです。」

「尹先生は自身が籍をもつ淑明女子大学での話はあまりされず、韓国のさまざまな大学での事例を取り挙げた。そのおかげで、韓国でのCTLが大学教員への給与形態にまで直結し、情報開示によってさまざまな関係者への見える化を本当に進めていることが分かった。榊原先生は対照的に、自身が籍をもつ芝浦工業大学での実例を挙げられた。(中略)アカデミズムでない人向けに分かりやすい話をされていた。」

「思い切って言えば、「大学『組織力』再考、日韓比較」といったテーマだったと感じましたので、大学生と教員という双方の当事者からの声があれば良かったかなと思います。(中略)今回のFDシンポはやはりテーマの設定が良く、日韓で協力し考える立場が一貫されていた点が特筆すべきだったと感じてます。バランスが、とても良かったです。」

「日本のFD、CTLの未発達な状況が明らかになり、危機感を感じた」

 

全ての回答者の方々から様々な面で高評価を頂き、スタッフ一同大変嬉しく思っております。また、今回のシンポジウムの改善点や、今後扱ってほしいトピックなどについても多数コメントをいただきました。皆様からのご意見をもとに、今後もシンポジウムをお届けできるよう取り組んでまいります。ご意見・ご感想をお寄せいただきました皆様に感謝申し上げます。

 

■今後の予定について

  • 今回のシンポジウムにつきましては、今後報告書を制作する予定です。完成次第、東大FDウェブサイトにてお知らせいたします。また、今後もFDに関する様々なイベント・シンポジウムを開催してまいりますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

 

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