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2018年03月20日

【開催報告】「インタラクティブ・ティーチング」フォーラム 第1回「あらためて、シラバス」

さる3月4日(日)「インタラクティブ・ティーチング」フォーラム 第1回「あらためて、シラバス」を開催いたしました。当日の模様について簡略ながらご報告します。なお、より詳細な点については、後日報告書を公開する予定でおります。また、東大TVにおいて、当日の模様が動画で公開される予定です。

日時:2018年3月4日(日)10時~18時
場所:東京大学駒場キャンパス 900番教室ほか
参加者数:143名
参加費:3000円(大学院生・PDは無料)
講師:栗田佳代子(東京大学)、佐藤浩章(大阪大学)、吉田塁(東京大学)、中村長史(東京大学、総合司会)
参加者セッション担当:関戸大(仙台高専)、飯盛聡士(広島城北中高)、小椋賢治(石川県立大学)、伴野崇生(慶應義塾大学)、近藤猛(名古屋大学)、仲本早紀(大阪大学)、大川宝香(神屋小学校)、工藤千恵子(常盤高校)

1.テーマ・目的
今回のテーマは、「シラバス」でした。「学習者の学びを促し、教員にとってコースデザインのツールとなるシラバスを作成・活用することができる」という目的のもと、140名の参加を得ました。

2.概要
反転授業型の本イベントでは事前課題が設けられていました。当日は、事前学習の内容を踏まえて、シラバス一般の意義や注意点(総論)を確認し、参加者各自の文脈における意義や注意点(各論)にまで考えを深めました。

(1)事前学習
動画「インタラクティブ・ティーチング」および書籍『インタラクティブ・ティーチング』 (河合出版、2017年)の該当章(week5、5章)を視聴・読了してくることが参加者全員に課されました。

(2)当日
【1】趣旨説明(10時~10時15分)
本日のプログラム全体の目的や構成、本イベントにおけるルールを確認した後、参加者同士の自己紹介を行ないました。

【2】セッション1「あらためて、シラバス」(10時15分~11時)
事前に募集したシラバスの作成・活用に関するご質問について、講師や他の参加者が意見交換する形で進めました。具体的には、①「看護実習では患者さんの状況次第の面もあり、あらかじめシラバスに詳細に記載することが難しい」、②「シラバスを詠む習慣を学生にどうつけてもらえればよいか」、③「他の先生のシラバスがよくない場合、どこから助言するべきか」、④「高等教育におけるシラバスを初等中等教育にどこまで使えるか」、⑤「米国や日本以外のシラバス事情はどこで知ることができるか」といったように、シラバスの作成・活用からファカルティ・ディベロップメントに至るまで多様な観点から議論がなされました。

【3】セッション2「テキストシラバス改善演習」(11時~12時)
ご自身のテキストシラバスをお持ちいただき、グループワークを通して意見交換を行ないました。これを通して、学習者の学びを促し、教員自身にとってコースデザインのツールとなるようなシラバスを作成するために必要なポイントを把握するよう努めました。

【4】セッション3「グラフィックシラバス作成演習」(13時30分~15時)
ご自身の授業のグラフィックシラバスを実際に作成してみました。グラフィックシラバスとは、15回などにわたる各回のトピックなどの関係性をフローチャートなどで表し、授業の構造を可視化するものです。これにより、授業で学んでもらいたい知の構造を教員自身がより意識的に把握し、明確に伝える授業構成をできることを目指しました。

参加者同士の意見交換の様子

【5】セッション4 分科会(15時20分~16時50分)
事務局企画のセッションAとこれまでの「インタラクティブ・ティーチング」のイベント参加者有志が企画した3セッション(B~D)を設けました。

①セッション4A「大教室でもアクティブラーニングを実現させよう」
大教室での授業においてアクティブラーニングを導入する際に気をつけるべき点等の実践的な方法を共有することを目指しました。

②セッション4B「受講者を惹き付ける問いを作ろう〜ジグソー法・ピアインストラクション〜」
ジグソー法、ピアインストラクションを実施する際の「受講者を惹きつける問い」を作れるようになることを目指しました。

③セッション4C「理解者を増やそう・職場に広めよう~『現場』への展開~」
自らの「インタラクティブ・ティーチング」実践について、職場や周囲の人々からの理解を得たり、必要に応じて周囲の人々をまきこみながら、「インタラクティブ・ティーチング」を同僚や周囲の人々に広めたりすることができるようになることを目指しました。

④セッション4D 「模擬授業から授業を磨こう〜『アクティブに味わう短歌』を題材に〜」
アクティブラーニングを導入した模擬授業を検討することで、自身の授業に導入する際のポイントを把握することを目指しました。

【5】まとめ(17時10分~18時) まとめでは、本日学んだことや疑問に思ったことと、それを踏まえて翌日以降に各人の現場に持ち帰るものとを、グループワークや質疑応答を通して、確認しました。

参加者と講師の意見交換の様子

3.参加者の反応
様々な大学・高校・中学校・小学校・企業から、計143名の方々にご参加いただくことができました。満足度について5段階評価(際立って良かった、大変良かった、良かった、まあまあ、良くなかった)で尋ねたアンケートでは、37.7%の方が最高評価の「際立って良かった」、54.7%の方が次点の「大変良かった」、7.6%の方が「良かった」と回答されました。今回より100名を超えるイベントとしては初めて参加費をいただくことにしましたが、一定の評価をいただけて安堵しております。更なる高評価を目指して、アンケートで挙がった改善点を次回以降の企画・運営に活かしていく所存です。

中村長史 (「インタラクティブ・ティーチング」担当・特任研究員、本イベント・総合司会)

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