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2018年01月12日

東大FFP第10期 DAY8 SAPチャートの作成

年が明けて1月5,11日は、東大FFP第10期の最終回DAY8でした。

このDAY8では安定的にSAPチャートというものを作成します。これまでの自分を振り返り、教育や研究の自分なりの価値や意義について考え、将来の展望をするためのもので、大学院生のこの時期に作成することに意義があると考えています。以下再掲になりますが、SAPチャートの説明です。

SAPとは「構造化アカデミックポートフォリオ」(Structured Academic Portfolio; 吉田・栗田 2016)の頭文字をとったものです。もともとアカデミック・ポートフォリオは「大学教員としての活動に関する, 自己省察による記述と根拠資料を集約した書類」というもの(Seldin & Miller 2009)ですが、それが「記述内容が構造化され、作成の手順・要点が明確 」である点がこのSAPの特色です。そして、このSAP作成の準備課題として位置付けられるのがSAPチャート(Yoshida & Kurita, 2016)ですが、短時間で活動全体を(簡便ではありますが)振り返ることができ一覧性に優れていることから単独でも利用することができます。大学院生にとっては、キャリアパスを展望するのに適していること、東大FFPで学んだことを自分の教育理念とひもづけて考える契機となることから、最終回のコンテンツとしてとりいれています。

3時間半を使って作成し、途中、随時ペアで共有の時間をとり相手に説明したり相手からの質問を受けることで、リフレクションを深め、気づきを得ます。自分の教育理念や研究の価値などをあらためて他人に説明することに、最初こそ「おそるおそる」の雰囲気があるのですが、次第に「共有時間の終了」を告げてもなかなか話し終わらないくらいの熱気になります。

今回で東大FFP第10期も無事終了できたことは、1つの区切りとして感慨深いものがあります。東大FFPが開始以来5年が経過しまして、内容も初期と比較するとかなり進化しました。ようやく安定してきたと思えるようになってきたものの、やはり、毎回毎回改善すべきところは見つかるものです。担当者としては、成長を続けるプログラムでありたいと考えています。

第10期の皆様ご受講ありがとうございました。

 

 

  • ・Seldin, P., & Miller, J. E. (2009). The academic portfolio: a practical guide to documenting teaching, research, and service(Vol. 132). John Wiley & Sons.
  • ・吉田塁,栗田佳代子 (2016) 構造化アカデミック・ポートフォリオ作成の評価; 第22回大学教育研究フォーラム,238-239,2016.3.17-18,京都大学
  • ・Yoshida, L., & Kurita, K. (2016). Evaluation of Structured Academic Portfolio Chart and Workshop for Reflection on Academic Work. Procedia Computer Science, 96, 1454-1462.
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