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2018年11月27日

【開催報告】「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー第6回「コースデザイン(シラバス)」

先日終了しました下記のイベントにつき、当日の模様と、次回の予告について簡略ながらご報告します。

「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー 第6回「コースデザイン(シラバス)」

日時:2018年11月11日(日)10時~17時
場所:東京大学本郷キャンパス 工学部2号館93B教室
参加者数:21名
講師:栗田佳代子(東京大学 大学総合教育研究センター)
吉田塁(東京大学 教養学部)
中村長史(東京大学 大学総合教育研究センター)

1.テーマ・目的
今回のテーマは、「コースデザイン(シラバス)」でした。「シラバスを学習者の学びを促す授業をデザインするツールとしてとらえなおし、実際に作成できる」という目的のもと、より具体的には、下記の到達目標を定めました。
①授業のコースデザインとシラバスの意義を他人に説明できる(事前学習に対応)
②自分の授業のグラフィックシラバスを作成できる(当日午前の演習に対応)
③持参したシラバスを学習者の学びを促すシラバスとして改善できる(当日午後の演習に対応)

2.概要
反転授業型の本講座では事前課題が設けられていました。当日は、事前学習の復習に続いて、自身の授業のグラフィックシラバスを作成する演習や、テキストシラバスを改善する演習を行ないました。

(1)事前学習
動画「インタラクティブ・ティーチング」および書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年)の該当章(week5、5章)を視聴・読了してくることと、自身の授業のテキストシラバスを提出することが参加者全員に課されました。

(2)当日
【1】趣旨説明(10時~10時15分)
本日のプログラム全体の目的や構成、本イベントにおけるルールを確認した後、参加者同士の自己紹介を行ないました。

【2】事前学習の復習(10時15分~10時30分)
事前学習の復習についてグループワークを交えて行なうことで、知識の定着を図りました。ここでは、シラバスの役割について改めて確認しました。

【3】グラフィックシラバス作成演習(10時30分~12時30分)
自身の授業のグラフィックシラバスを作成するワークを行ないました。学習者の学びを促すようなコースデザインができているかをグラフィックシラバスによって可視化し、よりよいコースデザインを練る点に、その狙いがありました。

参加者同士の学び合いの様子

【4】テキストシラバス改善演習(13時30分~15時30分)
午前の演習で学んだポイントおよび「シラバス・ルーブリック」(授業が学習中心にデザインされているかを定量的・定性的に評価するために、バージニア工科大学で開発されたもの)を踏まえて、自身の授業のテキストシラバスを改善するワークを行ないました。個人での改善とグループでの意見交換を繰り返すことで、コースデザインのみならず細部まで含めて学習者の学びを促すようなシラバスとなっているかを確認しました。

【5】改善(15時45分~16時)
午前や午後の演習で気づいた改善点・改善案を記憶が鮮明なうちにその場で反映させました。

【6】まとめ(16時~16時30分)
まとめでは、本日学んだことや疑問に思ったことと、それを踏まえて翌日以降に各人の現場に持ち帰るものとを、グループワークや質疑応答を通して、確認しました。

3.参加者の反応
大学・高専教職員11名、大学院生・PD4名、高校・中学校教職員2名、小学校教職員1名、専門学校等教職員3名の計21名の方々にご参加いただくことができました。満足度について5段階評価(際立って良かった、大変良かった、良かった、まあまあ、良くなかった)で尋ねたアンケートでは、55%の方が最高評価の「際立って良かった」、40%の方が次点の「大変良かった」、5%の方が「良かった」と回答されました。本講座に参加したことで今後の実践は変わりそうかについて、やはり5段階評価(大きく変わると思う、変わると思う、あまり変わらないと思う、全く変わらないと思う、わからない)で尋ねたアンケートでは、39%の方が最高評価の「大きく変わると思う」、61%の方が次点の「変わると思う」との回答でした。

自由記述欄にいただいたコメントには、以下のようなものがありました。
「これまでは義務的に書いていた面もあったが、シラバスを見直すことで授業改善が図れるということに気づいた」(大学教員)
「ふだん相談相手がいなかったので、講師との質疑応答やグループワークでコメントをもらえたのはありがたかった」(大学教員)
「シラバスづくりのポイントを知ることができた。それは自分のため、また生徒のためであると感じた」(高校教員)

過去の回と同様に一定の評価をいただけたことに安堵しております。これからも参加してくださった方々が実践を共有し続けられる場を設けていくとともに、更なる高評価を目指してアンケートで挙がった改善点を検討し、次回以降の企画・運営に活かしていきたいと考えています。

4.次回予告
その次回以降ですが、3月2日(土)と3日(日)に模擬授業をテーマとした二日間連続の講座を予定しております。詳細が決まり次第、お知らせいたします。皆様のご参加をお待ちしております。

参考情報
動画「インタラクティブ・ティーチング」 JREC-IN webサイト  東大FD webサイト
書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年)
https://www.kawai-publishing.jp/book/?isbn=978-4-7772-1794-6(河合出版webサイト)

中村長史
(「インタラクティブ・ティーチング」担当・特任研究員、本講座総合司会)

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